偏見のなかには、いかなる理性も存在していません。偏見が心の中に出現したが最
後、人間はもはや、理性的な生き物でいつづけることができなくなり、軽率な行動や
怒りその他の極めて有害な感情に身を任せるはめになってしまいます。
私たちは、偏見に心を支配されているとき、人々の気分も、自由も、まったく尊重
することがありません。そのとき私たちは、人間性を失っており、理性をもたない獣
のレベルに降下してしまっています。
偏見は、個人が自分勝手に真実だと考えている、誤った個人的見解です。それにし
がみつき、他人の立場を冷静に理解しようとすることを怠っているかぎり、人間は、
悪意の罠からいつになっても逃れられず、当然のごとく、真の幸せも手にできませ
ん。