道心というものは童心に通ずる。道を修めるということは童心をそのままに肥らせ
て行くことでなければならない。従ってそういう風に育って老いた者は、その老いる
までの道程にあってよく人生を学びますから、そこで若い者に対して身を以て範を示
すことが出来る。
尊く、強く、正しく、清く
どうすれば生命の生存を確保できるかというと、心と体が打って一丸とされたもの
が生命である以上、心と体の両方を、自然法則に絶対にそむかせないようにすること
です。
自然法則にそむかないようにするには一体どうすればいいかというと、第一に
「心」の態度を終始一貫いかなる場合があろうとも積極的であらしめることです。積
極的であらしめるということは、貴く、強く、正しく、清く生きることなんです。お
よそこのことぐらい人生および生命に対して大事なことはないのであります。
東洋的虚無感
小人の常として、財産・地位・名誉など何かしら有する所があると、自分自身が偉
いような錯覚に陥る。しかし本質的には何ものをも加えてはいない。心あらばむしろ
省みて自己の本質的な欠陥を覚る。この心を徹すれば、東洋的虚無感に通ずる。