2017年03月11日

「真理のひびき」(中村天風)

   3月11日(土)  天風箴言(二十七)



 腹を立てて居る人には 決して その心持に 過度の共鳴をしたり 或は 煽動し
てはならない。



(多くいうまでもなく、人間が原因のいかんを問わず、腹をたてているというときの
心理状態は、決して正常な心理状態ではないのである。要言すれば、腹をたてて居る
という状態は、憤怒という激情の発作したときのことをいうので、そのときの意識状
態は、たとえ側面から看て冷静であるかのように見えていても、事実においては断然
平静を失って、異常な興奮状態に陥っているときなのである。いいかえて形容すれ
ば、怒りという激情の発作のために、心火さかんに燃え上がっているときである。こ
のときに、たとえ善意にもせよ、その腹をたてている人の心持に、かりそめにも共鳴
したり、あるいは同情的な言動をあえてすれば、とりもなおさず、燃えている火に風
を送って煽り立てるのと同様の結果が生じてくる。燃えている火を煽れば、火の勢い
はますます強まる。これと同様で、憤怒という激情の発作によって興奮している人
に、前記のごとく、たとえ善意にせよ、いささかにても同調する態度を言動で示す
と、その結果は、概して良くないことになりがちである。

直接的には、腹をたてているその人自身の生命力の中枢である神経系統の生活機能
に、極めてよくない反射作用を惹き起こし、不測な不健康を心ならずも作為するのみ
ならず、簡単に解決するであろうような小事件をも、往々に収拾困難な大事件にして
しまう恐れがあるというような実例は、世間にしばしば見聞する。であるから、極力
誠心誠意、その憤怒の激情を鎮静せしめて、正規の平静心意に復帰するよう、その誘
導に尽すことを、対人行為のこころがけの第一とすべきであるといいたい。)
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする