2017年04月11日

「真人生の探求」(中村天風)

   4月11日(火)  天賦の潜勢力



 が然し、これでは折角万物の霊長たる人間として、この世に生まれて来たかいがな
い。生まれがいのない人生、それはまた活きがいのない人生ということになる。多く
いうまでもない、人生に活きる以上はどうしても生まれがいのある、そして活きがい
のある人生に活きなければ、どの点から考えてもうそである。

 然も、それが何としても、人間の力で出来得ない事なら兎に角、人間の生命に現存
する真理に対する正しい判断と理解とを現実に人生に施して、実践,之に伴えば、寧
ろ極めて容易なことだという点を考えれば、一体何の必要があって不甲斐ない人生に
活きるのかということになる。

 言い換えれば、生まれがいのある人生、活きがいのある人生というものは、相対的
には一見不可能のように考えられるが、一度生命内奥の潜勢力を発現せしめ得れば、
それが断然絶対的可能のものであることが分かるのである。

 であるから、現在よりもより良い人生に活きようと望むならば、何を措いても、先
ずこの自覚を厳粛にわが心に促すことが、そもそもの第一歩であり、人生への最大急
務である。

 まこと、峻厳なるかな人生! それは、どんな富の力を以てしても、更に地位や名
誉の力を以てしても、到底完全に解決しない。まして、屁理屈や、空威張りや、間違
いだらけな自己断定や、独りよがりの自惚れを以てしては、なお更のことである。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月10日

「真人生の探求」(中村天風)

   4月10日(月)  天賦の潜勢力



 が然し、大抵の人は、それをそうと気づかないで、自分の生命の力の全部を、毎日
根こそぎ使って活きているかのように思っているのである。そして自分は、これ程ま
でに自分のできる限り、根限りの力を用いて努力しているのにもかかわらず、一向に
よい運命も来ず、健康も完全にならない、だからこうした動かすことの出来ない事実
の上から考えて見ると、自分には結局これ以上の力は無いに違いないと、極めて単純
に相対的の結果現象だけを対象として考査するため、所詮健康とか運命などというも
のは、人間の力ではどうする事も出来ない不可抗力的のものだと決めてしまうという
ように、自分人間というものの力を、至極低く弱く評価することとなるのである。

 そして、もっと健やかに、もっと幸福に活きられる人生を、どうすることも出来な
い世界のように速断し、然もそれが決して間違いだともまた軽率だとも考えないとい
う大きな錯誤に陥ってしまう。

 そのため、その当然の帰結として、二度と生まれてくることの出来ない貴重な人生
を、空しく無価値の状態にして、やれ浮世は苦の娑婆だとか、人生は畢竟苦患の坩堝
だなどといって、人生五十年を、醜い自己欲望と連綿させて、ああもなりたい、こう
もしたいと、あくせくしながら、一向に思うほどどうにもなれず、結局貴重な人生
を、大方は無為に下らなく費やしてしまう者が、相当数に於いて少なくないというの
が、偽りのない実情ではあるまいか。



 
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

「真人生の探求」(中村天風)

   4月9日(日)  天賦の潜勢力



 だから、そういう人に限って、自分の力を極めて限局的に考え、極めて融通性の乏
しい狭小のもののように考える。即ち言い換えれば、その種の人は、現在の自分の人
生に使っている力だけを、自分の生命の力の全部であるというような判断を敢てす
る。難しくいえば、ややともすると偉大な大我から離れて、ただ単なる現象を対象と
する小我に則し、日々極めて矮小な範囲で活きている。そしてその矮小な範囲で自己
が使用している力だけを自己生命力の総量であると誤認する。

 これはよく考えて見るとすぐ分かることであるが、お互い人間の日々の人生範囲と
いうものは、その仕事や立場で、それ相当の相違はあるが、大抵の場合、そう毎日非
常に異なった範囲ではない。否概ね毎日大した変化のない同一の範囲内で生活してい
る。従ってその日々の人生に使っている自分の生命の力というものも、そう毎日その
分量に大した変化がないのが通例の現象である。

 事実に於いて普通の場合に、人々がその人生に活きるために使っている力というも
のは、実際の生命力の全体量からいうと、これもまた人々によって相違はあろうけれ
ども、何れもその何パーセントかに過ぎないのである。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 06:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする