2017年04月10日

「真人生の探求」(中村天風)

   4月10日(月)  天賦の潜勢力



 が然し、大抵の人は、それをそうと気づかないで、自分の生命の力の全部を、毎日
根こそぎ使って活きているかのように思っているのである。そして自分は、これ程ま
でに自分のできる限り、根限りの力を用いて努力しているのにもかかわらず、一向に
よい運命も来ず、健康も完全にならない、だからこうした動かすことの出来ない事実
の上から考えて見ると、自分には結局これ以上の力は無いに違いないと、極めて単純
に相対的の結果現象だけを対象として考査するため、所詮健康とか運命などというも
のは、人間の力ではどうする事も出来ない不可抗力的のものだと決めてしまうという
ように、自分人間というものの力を、至極低く弱く評価することとなるのである。

 そして、もっと健やかに、もっと幸福に活きられる人生を、どうすることも出来な
い世界のように速断し、然もそれが決して間違いだともまた軽率だとも考えないとい
う大きな錯誤に陥ってしまう。

 そのため、その当然の帰結として、二度と生まれてくることの出来ない貴重な人生
を、空しく無価値の状態にして、やれ浮世は苦の娑婆だとか、人生は畢竟苦患の坩堝
だなどといって、人生五十年を、醜い自己欲望と連綿させて、ああもなりたい、こう
もしたいと、あくせくしながら、一向に思うほどどうにもなれず、結局貴重な人生
を、大方は無為に下らなく費やしてしまう者が、相当数に於いて少なくないというの
が、偽りのない実情ではあるまいか。



 
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする