2017年05月06日

「真人生の探求」(中村天風)

   5月6日(土)  長さ・強さ・広さ・深さ



 が、そうかといって人生「長さ」と「強さ」だけ兼備しているのでは、まだまだ完
全とはいえない。それはただそうでないより遥かに良いというだけのことで、由来人
生には為さなければならない多くの事業や仕事が、各人各様皆それぞれ多分に割り当
てられている、従ってその振り当てられている仕事や事業を完遂し、更にまた一層、
有為の事実を現実化させなければ、人間としての広義の義務が尽くされない。然もそ
の目的をよく達成するのには、「長さ」と「強さ」との上に「広さ」と「深さ」が実
際的に加えられなければならない。

 ところが、これまた、世の中に存在する事実が、雄弁にこれを立証しているとお
り、「広さ」と「深さ」の欠乏していたために、あたら「長さ」と「強さ」を兼備し
た生命をもちながら、一向世の中のためになることを為さず、常に人後に追随落伍し
て活きているという人が随分といる。

 然もこうした諸種の事実原因はというと、直接的主因は、前に述べたとおり、六つ
の生命の力(体力、胆力、精力、能力、判断力、断行力)の、そのどれかが、不足し
ているか、または不完全であるために外ならない。

 それがうそでない証拠には、世にいわゆる不幸福な人というのを見ると、この消息
は明瞭に分明する。

 即ち、天寿の来たらざるに、その生存の中途で、病などに取りつかれ、或は早死に
するのは、畢竟、体力や精力や、または胆力の方面に欠如したものがあるからで、更
に不運に苦しむのも、上述の能力なり判断力なり断行力なり、或はその他の力に不足
しているからの結果に相違ない。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする