2017年06月05日

「真人生の探求」(中村天風)

   6月5日(月)  芒種(芒=のぎ のある穀類の種子を蒔く大切な時期なので
芒種という)         神経系統の重要性



 あやつり人形というものは、人形それ自体に、動く働きはない。何本かの繰り糸
が、人形の局所局所に結び付けられて、人形使いが、巧妙にその操り糸を操作するこ
とに依って、さながら生ける人と同様の所作を演ずるのである。

 体内臓器もまたこれと同様で、操り人形における操り糸の如くこれを働かす機能が
別に存在していて、一見独自的の可動性で作用するかのように、あの微妙な作用を行
うのである。

 それでは、体内臓器に対する操りの糸ともいうべき不思議な機能とは、一体何かと
いうと、動物性、植物性という二大別をもつ神経系統のことである。そこで、万一、
上の神経系統のどれかに、故障なり、不完全の点があるとしたら、体内臓器の諸作用
もまた当然その働きを、円滑に行うことが不可能になる。それは操り糸のどれかが切
断したり不完全である時、操り人形が完全に所作することの出来ないのと同様であ
る。

 ところが、多くの人の中に、特に生命の重要性を考える人の中にも、この重大な事
実を案外自覚していないという、生命営為の現象事実に対する認識不足の人が存外に
多い。そして、そういう人に限って、胃が悪ければ消化剤を飲めば治ると思い、心臓
が悪ければ心臓病に適応する対症治療薬を服用するか、注射でもすれば治癒するよう
に思っている。即ち内臓の諸疾患は、臓器そのものにある対症療法を施すことに依っ
て、治癒の目的を達し得られるものと考える。然も、こうした考え方が、往々専門の
医家の間にも散見せられるのは、広き意味における民族健康のために、慨嘆すべき事
柄だといわねばならない。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 08:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする