2017年06月13日

「真人生の探求」(中村天風)

   6月13日(火)  心の生命に及ぼす影響



 中にも、滑稽に思えるのは、このことばかりは、どうしても怒らずにはいられない
とか、これを悲しまぬ者は馬鹿だとか、或は、こういう事を恐怖しない人は人間では
ない、とかというように、わざわざ理屈をつけて怒ったり、悲しんだり、恐れたりし
ている人すらある。そして、そういう人に限ってこういう風に怒ったり、悲しんだ
り、恐れたりする度に、その消極感情の発作の影響が、肉体生命の活きる力までを全
体的に弱めて、或は病の近因を作りまたは早老の遠因を作るという、生命に甚大な危
険をその度毎に醸成しているということを気づいていない。尤も気づかないからこ
そ、無雑作に怒り、軽率に悲しみ、無分別に恐怖するのであろうと思う。実際、こう
いう事実現象が生命に存在することを知ってながら、強いて、自己の生命に、自分自
身直接間接に危害を与えるようなことは、まともの精神を持つものでは為し得ない筈
である。

 古語に、聖者怒らず、覚者悲しまず、勇者恐れず、というのがあるが、そうした種
類の人でなくとも、こうした心身相関の現象事実を知る以上は、自己を消極的感情の
擒にし、貴重な人生を冒涜することが、甚だしい愚かな行いであることを思わないも
のはないであろう。まして、自己を徹底的に守り、徹底的に愛するものは、自己以外
に絶対に無いということに想到すれば、より一層、粛然たるものを感じなければなら
ない筈である。就いては、なおこの理解を正しく信念化すために、心の状態が肉体に
及ぼす影響をもう少し詳説して、諸君の人生参考に資することとする。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする