2017年06月15日

「真人生の探求」(中村天風)

   6月15日(木)  感情と肉体



 この実験の動機は、人間が感情を発作すると、特に消極的の感情が発作すると、著
しく呼吸の状態に変化を認める。即ち溜息をしたり、呼吸が浅くなったり、または深
浅不調になるという事実に対し、呼吸の状態にこのような変化がある以上、その呼吸
に依って生ずる特に呼気の中には、何か特殊の変化がありはしないかというのがその
端緒なのであった。そこで平素やたらに悲観し勝ちの人と、怒りっぽい人と、臆病の
人とを実験材料として、この人々にコップの中に呼気を吐き出させ、そのコップの周
囲に付着した呼気水分を、或る特殊の酸液を以て操作の上注射液を作り、これを各別
にモルモットに注射して、その反応を実験した処、悲観気分と恐怖気分の多分の人の
呼気操作液を注射された方のモルモットは、数分間後に苦悶状態を発し、間もなく虚
脱状態に陥り、怒りっぽい人の呼気操作液の注射を受けた方のモルモットは、四肢の
末端が麻痺されたように頗る運動不如意の状態を呈したという。

 こういう反射事実が、少なからず存在していることを考えると、ただ単に血液だけ
の上の影響でも健康保障に脅威を感ずるのに、まして生命全体の広範囲にまでその影
響が波及されることを思うと、更に一層に戒心しなければならないことを痛感せられ
ると信ずる。

 そして、このように影響事実は、どれも皆、心の態度が消極的となり、その結果肉
体生命維持の各機能を直接間接に司る神経各系統が、その生活力を減退するため、そ
れが一切の根本原因をなすからであるといい得る。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする