2017年07月01日

「真人生の探求」(中村天風)

   7月1日(土)  海開き・山開き  健康への要諦



 そもそもこの語はだれがいったかというに、文献に拠れば、ローマ法皇二世が、側
近の哲学者として有名であったジユウベナリスに、神に祈る人間のほんとうの偽りの
ない気持ちを簡単な言葉に組み立てて見よといわれたので、作られたとのことであ
る。そして、この言葉の真の意味は、「上帝よ、人に心も体も強きことを祈り奉る」
 というのだそうである。

 それが、やがて後世物質文明の旺盛期に入ると、期せずして、物質論者が、その物
質至上論に都合よく当てはまるように、これを、「健全な肉体に健全な精神と」 訳
し替えたものなのである。そして、それが唯物論以外の真理に目をくれない人々に
は、まるで金科玉条と考えられて、果ては今日のように普遍的に流布されるに至った
ものである。

 然し、文句としては実に立派に聞こえるが、やがて人生の実際経験の中に、ぴった
りと符合しないものを感じたり、或は第一にその健全な肉体さえ、中々思うように作
り上げることが困難だという実際的事実にほんとうに苦しんだ人達が、これは相対的
真理だということを自覚するに至り、最近では最早余程頭の古い人以外には、この言
葉を絶対的の真理として珍重しなくなってきた。これは要するに真理に対する正しい
態度で、たしかに人の世のため喜ぶべき一つの進歩というべきである。何れにして
も、事実は最後の証明者であって、精神強化の真要諦は、精神中心主義でなければ、
到底その目的を達成することは至難というのが争う余地のない歴然たる事実なのであ
る。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする