2017年07月04日

「真人生の探求」(中村天風)

   7月4日(火)  観念要素の更改



 然し、それはただ現象にだけ眼を注いで、心の内面の消息に対する観察や研究の不
充分なための主張であって、もう少し心に対する理解が正しく智識づけられれば、な
お考えなければならないことが多くあることを感じるに違いない。

 そこで、その理解に必要とする消息を説明することとするが、一体人間の思考作用
というものは、心の深部で行われるのでなく、心理学的にいえば、実在意識領と称す
る分かり易くいえば、心の第一層面(心の表面)で行われるものなのである。この思
考が心の表面の実在意識領で行われる時、実在意識領の単一な作用で、種々雑多の思
考がその領域自体から発動するのではないので、実在意識領が、何事かの反応なり刺
激を受けて、思考作用を行おうとすると、咄嗟これに応じて、心の深部にある心の倉
庫ともいうべき処から、その思考を組み立てる材料要素を実在意識領に運び込んで、
そこで一個の思考形態が具体化するものなのである。心理学上からいうと、この心の
倉庫ともいうべき心の深部にあるものを、実在意識に対応して潜在意識と名づけ、思
考を組み立てる材料要素となるべきものを観念要素と呼んでいるのである。

 であるから、実在意識と潜在意識とは、常に一連の結合をなしている不可分のもの
で、人間の思考には、特にこの潜在意識領内に保有される観念要素というものが、殆
ど皆その因子を為しているといってよいのである。そして、潜在意識内にある観念要
素が、消極的のものを多分に保有していると、イザという時、どんなに積極的に物事
を思考しようと努力しても、断然不可能に終わるということになるのである。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする