2017年07月07日

「真人生の探求」(中村天風)

   7月7日(金)  小暑(暑熱いよいよ盛んとなるので小暑という) 七夕



       暗示感受作用

 どうすれば観念要素の更改ができるかということについては、或は人格同化法と
か、挙証説得法とか、自覚内省法とか、種々の形式がそれぞれ専門家に依って説かれ
ているが、私自身深く苦しんだ経験から「人間の精神に固有する、暗示感受作用を応
用する特殊の自己暗示誘導法」という方法を提唱する。

 というのは、勿論、学者識者の説く前記各種の方法にも、何れも皆立派な根拠もあ
り、論理も具わっているのであるが、我々人間は疑い深いという心理を習性的にもっ
ている。その為自分自身充分よく分からないことに対して、最初から全然白紙のよう
に、純真に中々それを信じ切れない。特にいささかでも理知教養を受けたものは一層
この傾向が顕著である。ところが学者や識者の唱える教義や方法は、信念というもの
が充分でないと、完全に理想的にその効果を味わい得ないものが多い。現に私など
も、そのために随分と苦しみ悩んだものである。

 尤も、釈尊でも「信なき衆生は救い難し」 といった程だから、それもまた一面に
存在する道理には違いないが、然し、どんなものでも、それをまだ実際的に味わない
初めから、信を以てこれに当るということは、余程心の出来た人か、それとも生まれ
つき純真無垢の人でなければできないことで、私などは、長い間不健康に蝕まれ、そ
の上運命に翻弄された結果もあるので、何でも頭から先ず疑ってかかるという捻じく
れた心の持ち主であったので、折角のよい教えも、丁度笊で水を汲むように、忽ちに
漏洩してしまうという有様であった。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする