2017年07月18日

「真人生の探求」(中村天風)

   7月18日(火)  連想暗示法



 尤も、そういう場合、坐禅行の方では、雑念や妄念が発生したら、発生するに任せ
て相手にするな、そうすれば次第次第に、その雑念妄念の方から退散して行き、遂に
は、よく一心三昧の彼岸妙境に到達し得るに至ると、導師の大部分はいうそうだが、
それもそうかも知れないが、これには少なからぬ努力と時間とがかかると思う。とい
うのは、雑念妄念を相手にするなという言葉に捉われて、相手にするまいという努力
に、言い知れぬ消耗率を心に与えるという結果を招く。俗にいう坐禅病と称する神経
衰弱症の一種は、要するにこうした原因関係から生ずるともいえるが、尤もこれも導
師側からいわせると、所詮はそうした苦難を経なければ、本物にはなれないというら
しいが、それもそうに違いないとはいえ、然しそれは専門にそういう修行に没頭する
ことの出来る人とか、または時間に相当の余裕を持ち、且つまた人生規範の係累を多
分に持たない人なら、或はやってやれないこともあるまいが、現在一刻の休みもなく
忽忙たる人生に謳掌し、その上自己の運命問題とか、健康問題とか、その他諸種雑多
の生活事実に、心を連綿して活きつつある人々には、到底一切を犠牲として忍耐努力
して行いとおせるものではないというのが、これまたおおむね共通的の事実である。

 そこで私は、前にも述べた通り、折角の良法を、上の様な事情から、実行難に陥る
のを如何にも心惜しく考え、何とかしてもっとこれを応用率の普遍的のものにして見
ようと、百方研鑽した後、どんなに下根の人も容易に、何等大した努力をする必要な
く、よくその目的を達し得る一方法を創案した。

 それは、毎夜就寝の際の、自然傾向たる大脳の制止作用を応用する方法であって、
分かり易くいえば、夜の寝がけの時の心持を換えるのである。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする