する意味で霜降という)
心身の完成
それ人の本体は肉身に非ず、また心にも非ず。絶対にして不変また不朽不滅なる霊
魂なり。
然るに人の多くは、この荘厳なる消息を悟る能わず、徒に肉身または心を人の本体
なりと思い惑う。
そもや仮想は実相の姿にあらず。またその本質の現れにもあらず。
身といい、心と称するものは、真我の命が現象の世界に活きゆくための、一切方便
を行わんがための命への要具なれば、ただこれを巧みに調整行使して、ひたすらその
性能の完全なる発現を促進せざるべからず。
知らずや、たとえ名工名匠といえども、その用具の全きものなくば、恰も腕無きに
等し。
さればわれ人ともに、真にその人生に安定(あんじょう)せんには、ただ一念わが
命の要具たるこの仮想の存在を、より良く全からしむることを心がけざるべからず。
かくして初めて人としての正しき幸いをうくることを得ん。悟らざるべからず、勉
めざるべからず。