2018年02月12日

「研心抄」(中村天風)

   2月12日(月)  振替休日  「心」とは何ぞや?



 事実に於いて吾人は日に幾人となく種々の人と会合する。しかし注意深く観察する
と、本当に心というものを自己の使命用具として完全に行使して活きているところ
の、いわゆる真人というものに滅多に出会わない事を発見するに相違ない。そしてそ
の大部分は使うべき心に反対に使われ、虐げられた人生にあわれ気息奄々たるを如何
ともする能わずというような人が多い。そしてその種の人に限って人間にいろいろの
ことを考えさせる複雑な心のある事を恨めしく思い、かえって複雑な思考を行えない
犬や猫の方をさも幸福のように思っている人すらある。

 がしかし一旦心の正当な操縦法を弁知すると全くこれと正反対で、常住心の中に生
ずるであろうところの不必要な観念や思想を、何等の困難も苦悩も感じないで適宜に
これを取捨収集し、不思議な程一切を極めて調和した状態で支配統御できるようにな
る。

 即ちこれをたとえれば、それは丁度強大な馬力を持つ鋼鉄艦が静清と海波を蹴破っ
て進むように、一切を悠々乎として押しのけて行くのである。

 そして尊厳な自己=真我 を心の奴僕という境涯から完全に釈放して、常に雄大荘
厳に心や肉体に堂々と主宰力を発揮して統御して行くという正当な人間本来の面目を
具現し得るに至る。

 判りやすくいえば、自己=真我 は心や肉体の従僕や召使でないという正しい生命
の消息を自覚行使し得るに至るのである。

 であるから吾等はひたむきに、この境地に悟入するべく心を如何に訓練し、如何に
誘導啓発するかということを正当に会得しなければならない。そして心を安全に操縦
してよく理想の境涯を把握しなければならないのである。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 04:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする