2018年03月06日

「研心抄」(中村天風)

   3月6日(火)  啓蟄(地中で冬眠した虫類が、陽気で地上に這い出す頃

               の意で啓蟄という)



       第二節    意志の力の発現に関して



 この意識観念が確立されれば、昨日までの自分と今日の自分との上に実に嘱目すべ
き格段の相違と距離とを事実化し、今までのように自己の生命用具である心及び肉体
と自己(真我)とを混同しないようになり得る。そして今までよりも更に適当に心の
統御支配が正確に為し得るようになり、即ち用うべきものは用い、捨てるべきものは
捨てるというように、心の運用も断然安易を感ずるに至るのである。

 事実に於いてこうした意識観念を確立して自己を統御すると、正確に真理に順応す
る完全統御を頗る行い易くなるのである。そしてこの意識観念は理性心にも霊性神に
も応用し得る事また極めて容易で、その上その実際効果率も頗る多分である。

 というのは、この意識観念は一切の心を自己(真我)の統制下に於いて自由に操縦
し得るその第一過程となるからである。即ち今までにしたような本能心や理性心から
発生する心的作用や心理現象を、矢庭にそれを自己本体の意念のように速断して、徒
にこれに捉われて苦悩して居たという軽率からどんなに自己を救い得るか分からぬか
らである。実際多くの人々は真我の家屋や着物ともいうべき生命用具である心や肉体
に余りにも捉われ過ぎている。そしてその不必要なものにもなお纏綿と執着を以て、
人生苦を我から物好きにも増大しているという事を何を措いても先ず知らねばならな
い。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 04:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする