2018年06月11日

「研心抄」(中村天風)

   6月11日(月)  第五章 意識に対する哲学的の考え方

  第一節 意識と心



 先ず心というものの差別から説明する事とする。兎角世人の多くは意識というと、
直ちにこれを心の全作用に対する代名詞の如く思惟するが、然し厳格にいうと意識と
は心の働きの一部を指していう名称なのである。一体意識と心とを同一のもののよう
に思惟するのは畢竟意識というものに対する理解が完全でないがために外ならない。
第一そうした思想は精神科学や又は心に関する哲学が今日の如く進歩しなかった時代
に一般から考えられた思想なので、いわば遅れた思想なのである。

 それでは意識というものに関してどんな理解を必要とするかというに、意識と一口
にいうものの子細にこれを検討すると、凡そ下の三種に分類大別される事を知らねば
ならない。

 即ち

  1、肉性意識

  2、心性意識

  3、霊性意識

 第一の肉性意識というのは肉体に固有する物質心や植物心、更に本能心から発生す
る意識である。

 第二の心性意識というのは、精神生命に存在する理性心から発動する意識の事であ
る。

 第三の霊性意識というのは、命の本体たる霊魂に実在する霊性心より発生する特殊
意識である。

 そして更に知得すべきことは、第一の肉性意識なるものは、前述の如く肉体に固有
する各種の心から発生する意識であるから、およそ肉体のあるものにはその種類の如
何なるものとを問わず、たとえば人間以外の鳥獣は勿論、更に昆虫爬虫類等一切の生
物に等しく存在されているものである。が然し第二の心性意識以上の意識は人間以外
の他の生物には絶対に無いと言ってよいものなので、即ち人類特有の意識なのであ
る。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする