2017年11月27日

「錬身抄」(中村天風)

   11月27日(月)  真健康と食物に関する重要理解



   食物とその栄養成分

 ある西洋の生理学者が、人間の身体を鍛冶屋の仕事場に例えて、肺は火力を強める
鞴(ふいご)で、食物は石炭だというたが、これは実に適切な例えだといえる。

 事実に於いて食物は、人間の肉体生命の炎をつくる燃料=石炭ともいうべきもので
ある。というのは多くいうまでもなく、食物なるものは、吾人が呼吸の作用で、その
肺臓の中に受け入れた、空気の中の酸素や窒素の働きで、体内で燃焼し、そしてそれ
が或は血や肉やその他の重要な組織や成分となって吾人の肉体生命は維持されている
からである。

 従って、食物に関する正しい理解と、合理的の注意とは、たとえ専門家でなく共、
かりにも真健康を持続せんと欲する者は当然知得し置かねばならぬ重要な人生知識と
いわねばならない。

 生命維持に必要とする食物の滋養成分について記述する。凡そ食物中に含有される
滋養成分なるものは、総括的にいうと、 (1)水分 (2)蛋白質 (3)脂肪 
(4)炭水化物 (5)灰分 の五種類に大別される、従ってこの成分の一つでも不
足欠乏すると、人体の栄養ということが完全に補われなくなるという結果になるので
ある。

 (1)水分=人間の身体の中に一番多量に存在して居るものはこの水分なのであ
る。即ち人体の三分の二を占拠している。従って水分なるものは人体栄養上に対し
て、頗る大切な関係をもっているものなのである。

 (2)蛋白質=次に重要なものである。凡そ生物の肉体を組織する成分中、最も主
要なる位置を占めている物質というべきものなのである。栄養上極めて重要なものだ
からというても、決して過度に摂取してはならぬことである。

 (3)脂肪=すべての生物は自己の体温を維持する必要上、体内で酸化作用という
ものを行う、その時に、この脂肪というものは、体内に於ける蛋白質の分解を防止し
て、その消費量を少なくする作用を有しているという大切なものなのである。がしか
しこれまた多量に摂取すると消化器を疲労せしめ従って消化不良を惹起し、血液の中
に胆汁を混入して俗にいう「油ふとり」という栄養障害を起し易い体になる。

 (4)炭水化物=これは別名含水炭素ともいうが、吾人の摂取する食物の中で、こ
の成分を含有している主なるものは、澱粉と糖分である。

 そしてこの炭水化物は、脂肪と同様蛋白質の分解を防止する作用があるのみなら
ず、脂肪の消費量をも軽減する作用を有している。だから炭水化物は脂肪の代用とも
なる重要成分なのである。

 何れにしてもこの炭水化物と脂肪とは、生命維持に対する純粋の燃料食物なのであ
る。しかしこれとてもまた、過度に摂取すると頗る大きい害を健康上に招来する。

 (5)灰分=これまた健康保持に極めて必要とされる成分で、それは骨の主成分と
なり、同時に消化された滋養物の吸収作用を促進し、更に蛋白質を溶解して血液の循
環を良好にする作用を固有する、しかして灰分の中で重要なものは、食塩と鉄分で、
特に食塩は、植物性食事を摂取するものには一層に必要とするものなのである。一方
鉄分は、血液中の赤血球を増加する作用を有している。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: