2017年08月19日

「真人生の探求」(中村天風)

   8月19日(土)  (其の三)  三勿の実行



 最期に必要な注意は、三勿の実行ということである。三勿とは何を意味するかとい
うと、@ 勿怒 A 勿悲 B 勿怖  の三つの事柄である。

 これは、単に観念要素の更改に対してばかりでなく、この消極的感情の発作は、直
接に生命維持に必要とする活力を夥しく減退するものである。

 現に、平素肉体健康の勝れない人などが、ただこの三勿だけの実行を専念しただけ
でも、どれだけその健康回復に役立つか分からぬ位であることを思うと、およそこの
三つの消極感情の発作位、生命に価値のない、何の利益もない、愚にもつかないもの
は無いと言ってよい。というと、怒ることや、悲しいことや、怖ろしいことのあるの
が人生ではないかという人もあるであろう? 勿論、それは人生世界の現象界に現存
する事実には相違ないが、そうかといって、この世は、怒ったり、悲しんだり、怖れ
たりしなければ、絶対に活きて行けないという世界ではない筈である。まして、神聖
であるべき自己の心を、この種の消極的感情の奴隷に堕落させなければ、人生という
ものが暮らして行けないというような、そんなバカげたことが、苟も万有の根源であ
る造物主に依って造られた秩序整然たるこの世界にあろう道理がない。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 08:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月17日

「真人生の探求」(中村天風)

   8月17日(木)  (其の二) 感謝の生活と三行



 要するに、人生を最も麗しく尊くする感謝という理想的の生活基盤は、すべての事
物に対する観点の置き方を、狭義な個人本位の自己主義から超越させて、もっと大所
高所から広義に観察するようにすれば、必然その心に湧いてくるものである。

 所詮は、これをまた習性化し得るものである以上、常日頃出来る限り、感謝本位の
生活をするように心がけねばならないのである。

 そして原因は常に結果と相対的関連をもつので、感謝本位の生活を現実にするため
に、常に正直と親切とを心的生活のモットーとし、また自己の心をいつも愉快な気持
ちで持続するように努力することである。これを三行の実践という。

 然もそれが皆、観念要素の更改に、密接な関係をもっているばかりでなく、活力の
保存ということにも、頗る消長的な関連のあることを思う時、より一層、現実の実行
にいそしまずにはいられないと思う。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月16日

「真人生の探求」(中村天風)

   8月16日(水)  感謝の生活と三行



 実際、不平不満を常習としている人には、この感謝念というものが、頗る薄いよう
に思われる。西洋の訓(おし)えにも「感謝念の薄い人の人生には、幸福の女神はそ
の自愛の手を伸ばさない」 というのがある。これは事実、客観的に見ても、主観的
に見ても、同じことだといわなければならない。だから何事にも、先ず感謝本位で人
生に活きるならば、不平不満を感じない世界が、第一にその人の観念の世界の中から
生まれることになるから、単にそれだけでも大きい幸福である。ましてその尊い気持
ちの反映を受けて、自分の活きる人生周囲が、期せずして美化善化されるという現実
を考えたなら、これは単なる道義的のことでなく、広義に於ける人生生活法だと考定
されることと思う。

 かの儒哲として蹟名のあった熊沢蕃山が詠んだ有名な和歌に「憂きことのなおこの
上に積もれかし、限りある身の力ためさん」 というのがあるが、案ずるに蕃山の心
には、他人から見て不幸だ、不運だと思われるようなことも、少しも御当人には、そ
うと感じなかったに違いない。というのは、不幸や不運を寧ろ自己錬成への感謝で考
えておられたからだといえる。

 私は現在の日本を考え、単に不幸だと愚痴る人には、決して理想的の民主国家とし
ての真日本の建設などは到底覚束ないと思う。寧ろ、現下のお互い日本人は、現在の
すべてを、真日本の建設という一大事実を現実化すために、天が我等日本人に慈愛を
以て与えられた一大試練だと断定するならば、期せずして一切の事物現象が自己を研
き上げ、また自己をより高く積極的に啓発する題材となり、やがてその結果は、世界
平和に協調し得る国家社会を作り上げることが出来ると思う時、価値のない不平や愚
痴は忽ちその影を潜め、これにかわるに、限り無い感謝念の湧然たるのを意識するで
あろう。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする