2017年12月08日

「錬身抄」(中村天風)

   12月8日(金)  針供養  第八節 食餌を摂取する時刻



 殆どすべての現代人の考えの中に、およそ胃を悪くしたり弱くしたりするのは、食
事の時間が不規則なのと、食量が一定せぬがためだという錯誤が多分にあるようであ
る。

 然らば如何なる時に食物は摂取すべきかというに、厳粛に真理に立脚して論断すれ
ば、真に食したいと感じた時、それが即ち食餌を摂取すべき時なのである。

 特に注意すべきことは食欲ということと空腹ということとを混同して考え、食欲の
生じたときを、真に食したい時と誤解して、食餌を摂取し、しかもそれが衛生に適し
たことと軽率に思量する人がある。

 しかしこれは大いに考うべき事なので、そもそも真に食したい時というのは、食欲
の生じた時のことを指していうのではなく、即ち、空腹を感じた時のことをいうので
ある。

 即ち要言すれば、空腹とは食物に対する絶対欲求であり、食欲とは食物に対する相
対欲求なのである。

 気分の悪い時には食を絶つことを怖れてはならない。否、反対にそういう時には、
断然食事をせぬ方が寧ろ良いのである。特に急性的の病の時には出来得るだけ胃や腸
の負担を軽減し、消化器を充分休息せしむることが、その快復を促進するのに良好の
結果を招来する。

 食事の時刻は、毎食の間隔を最小限度五時間以上とするのが理想的であり、且つ合
理的なのである。

 私が年来、一日二食論を提唱し、且つ又私初め多くの天風門下がそれを実行し、何
れも一様に健康生活を三昧しているのはこの理由に因由する結果なのである。
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2017年12月06日

「錬身抄」(中村天風)

   12月6日(水)  第七節 食餌の食し方並びに血液との関係



 およそ食物はその何の種類たるとを問わず充分完全に咀嚼して後これを胃腑に送る
べきである。

 一体、近代人の大部分が丈夫な胃腸をもっている人の少ないのはこの咀嚼に対する
注意が欠けているという点が相当関係しているというてよいと思う。

 不完全な咀嚼方法で食事を為すということは極めて健康上良くない習慣なのであ
る。極言すればそれがたとえ流動物のような一見咀嚼を要しないような軟らかいもの
でも、厳密に言うとやはり咀嚼をしてから後、嚥下するようにするのが理想である。

 元来、食物の中にある澱粉質を完全にブドウ糖に変化せしめる作用は、唾液の持つ
特殊作用に俟たねばならぬ。

 如何なる風に咀嚼することがいわゆる完全咀嚼となるかというに、結論的に言え
ば、食物を故意に嚥下せず、自然と知らず知らずの間に飲み込むという程度まで咀嚼
するのである。

 こういう咀嚼をすると、最少量の食品の中から最大量の栄養を獲得し得るのであ
る。
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2017年12月05日

「錬身抄」(中村天風)

   12月5日(火)  第六節 季節と食品、並びに付帯事項



 季節と食品というものは常に相関関係があるものなので、特に天産物と季節と健康
というものは断然密接な関係がある。 第一に時候違いのものは食さぬようにするこ
とである。時候違いの果物や野菜は、それを形成する原形質細胞の寿命というものが
極めて短いのである。哲学的に言うとその野菜や果物の、Vril=活力要素 が頗る少
量なのである。

 と同様に、もう一つ注意すべきことは現在自分が生活しつつある付近の土地に産し
たものをなるべく食すようにすることが最も合理的なのである。=身土不二 

 付帯事項として心得て置くべきは刺激の強烈なもの、例えば、芥子(からし)、山
葵(わさび)、しょうが、のようなものを多量に摂取せぬこと、また極端に冷えたも
のを夏季に、また極端に熱いものを冬季に、たとえ好むと雖も多量に飲食するのは決
して良い事ではない。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする