2017年12月03日

「錬身抄」(中村天風)

   12月3日(日)  第五節 嗜好と成分の関係



 一体、人間には食物に対する好き嫌いが特に肉体の弱い人には多い。これは一体ど
ういう訳かというと理論考証から論ずるとかなり複雑な理由があるのであるが結論的
に言えば、人間はその人の肉体に欠乏している成分を含有する食餌を嗜好し、十分豊
富に存在する成分をもつものは肉体の自然的要求がないために、これを嗜好しないと
いうのが最も妥当な見解である。

 如何に滋養食品と雖も嗜好せぬものは食せぬが無事である。であるから、病弱者は
でき得る限り嫌いなものは食せず、嗜好するものを食するのが良い。

 が然し、だからといって、茲に注意すべきは、嗜好物なりというても、動物性のも
のや、アルコール類及び糖分を過量に摂取するということは、血液を酸性化して健康
破壊の原因を作成するという即ち、天理に背反せる行為とて断然排斥すべきである。
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2017年12月02日

「錬身抄」(中村天風)

   12月2日(土)  美食とその栄養価



 元来、動物の原始欲望とも見るべきものは、性欲と食欲の二つである。而して、性
欲はその種族繁殖の本能から発生したもので、一方の食欲の方は自己の生命確保の本
能から発生せるもので、この二つの欲望はいわゆる代表的欲望なのである。

 ところが、一般動物はいざ知らず、吾等人間の方は、この原始欲望中の食欲に対し
ては、特に著しく進化性を呈しているのである。

 現に人智の発達に伴うて、食餌の種類の如きはどんどんその数を増し、同時にその
品質に於いても相当変化して来ている。特に近代栄養学なるものの進歩と発達は食物
の範囲と種類とを格段に拡大しその上調理の方法に至っては、特別にいろいろと新工
夫を凝らして来たのも事実である。

 であるから、その当然の帰結として、現代人の食餌の大部分のものは、大自然が人
間の生命維持の為に賦与された、いわゆる自然のままのものは極めて少なくその多く
は人工を加えた、極言すれば不自然のものが多いというのもまた事実である。

 美食というものは、概してその含有成分が、ややともすると余りにも一方に偏し過
ぎる傾向が顕著にある。すなわち、蛋白質や脂肪にのみ富み過ぎて、最も肝要な「含
水炭素」を欠乏している。人間の肉体生命が一番多量に要求する成分は「含水炭素」
である。しかもこの「含水炭素」というものは、澱粉及び海藻類=昆布、ヒジキ、わ
かめ、トコロテン等またはコンニャク、その他蔬菜果実に多量に存在して居る。

 食餌は出来得る限り「自然のまま」から遠く離れぬものを摂取するのが最も合理的
なのである。だから、敢て粗食のみする必要はないが、要は普通程度で前述の通り植
物性食餌を本位とするべきである。
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2017年12月01日

「錬身抄」(中村天風)

   12月1日(金)  動物性食餌と植物性食餌の優劣



 人間の食餌は動物性のものを本位とすべきかまた植物性のものを本位とすべきか果
たしてその何れなりやというに、由来生物学上よりいえば、地球上に生存する動物
は、その食餌の種類で大よそ下の三種に分類される。

  (1) 肉食動物

  (2) 草食動物

  (3) 果食動物

 即ちこれである。

 吾々人間は、如何なる食物を食する種類の動物なりやというに身体組織の一切の条
件と事実の上から精密に論断すれば、果食の種類に属する生物だといえる。

 動物性食餌には蛋白質が多量にあるから滋養になるというて、これを食せば、自身
の体内に既に新陳代謝の作用で生じた毒素のあるのに、その上に更に他の動物の体内
毒素を加重することになるが故、その結果が健康に忽ち悪い影響を与えるのは当然過
ぎる位当然のことである。

 一番理想的食餌は果物である。がしかしこれは単に経済上からのみでなく、実際上
に於いて、今日の吾人の生活に容易に実行のできないこととて、ただでき得る限り一
日の中で、分量多く果物を食すように心がけることである。そして食膳に上すべきも
のは、植物性のものを主とすべく実行するのが真健康を肉体に招来する何よりも聡明
な生活態度である。

 従って、牛豚肉のみならず鳥肉魚肉と雖も、日常の食餌には、可及的少量を摂取す
る様心がけることである。大体に於いて植物性食餌を全体の七割以上動物性のものを
三割以下とする事が一番無難な割合である。
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