2017年08月03日

「真人生の探求」(中村天風)

   8月3日(木)  (ロ) 命令暗示法



 然もこの方法も、応用範囲の広い普遍的のもので、学生などの成績不良とか、矯正
し難いと一般から考えられている夜尿症とか、吃音などという種類のものまで、かな
り確実な効果を挙げられる便利な方法である。

 参考のため、その種類の人々の用いる命令暗示の言葉を摘記すれば下のとおりであ
る。 ○ 成績が不良な場合には、例えば数学とか語学とかいうものを「成績が良く
なる」 といってはよくないので、そういう場合は、その人の不得手なものを、その
人が「好きになる!」 と命令するのがよいのである。好きになれば、自然とこれと
親しむことになり、嫌でも成績は向上するのは火を見るより明らかである。

○ 夜尿症には「便意を催した時必ず目が覚める!」 と命令するのが一番良い。夜
尿症とは、共通的に無意識的に、寝床で放尿するもので、本人が目覚めれば、決して
寝床で放尿するという失敗は行わないからである。

○ 吃音矯正も「吃音が治る!」 と命令するよりは、「吃音を気にしなくなる!」
と命令する事である。吃音とは、一種の習性的のものなので、本人自身が、自己の吃
音を気にかけ、恐怖すればする程、ますます吃音的になるもので、これは心理状態
と、言語機能=発声神経との密接な関係にもとずくのであるから、反対に吃音を気に
しなくなると、自然と吃音は拭うように矯正されるものである。現にこういう私も、
少年の時かなり烈しい吃音者であったのが、この方法で完全にその習性を治し得て、
今は流暢に発現し得る人間となっている。

 なお病の人もまた同様で「病が治る!」 という言葉で命令したのでは、奏功確実
でない。病を早くなおしたければ、「病を気にしない!」 という命令語が最も適当
なのである。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月02日

「真人生の探求」(中村天風)

   8月2日(水)  (ロ)  命令暗示法



 というのは、昼間実行の際は、ややともすると、人生諸般の生活要務のため、どう
しても心の落ち着きとか纏まりとかいうものが往々欠ける。従って、徹底的に真剣な
気分になれないことが多い。前にもいったとおり、この方法は、偏に真剣な気分とい
うことが、その効果を作成する必枢条件なので、夜正に床の中に入ろうとする時なら
ば、一日の活動を終わった時で、何等の捉われもなく、真剣な気分になり易い。同時
に真剣な気分を一層確実不動なものにする手段として、命令言語をただ一回だけに止
め、二度も三度も繰り返さないことである。たとえば「信念が強くなる!」 と命令
したら、今夜はもうそれ以上命令しないという、いわゆる背水の陣を布いた行い方を
するのである。そうすれば真剣な気分は、そのただ一回に充分に傾注される。何度も
同じことを、その際繰り返して行うと、いつか気分の中の真剣さが不平均になる傾向
が生ずる怖れがあるからである。

 勿論、いつ何時でも、真剣な気分になることが出来る人なら、敢て夜の就床間際に
限ったことはなく、随時随所行ってよいことは無論である。

 そしてこの方法は、実行するに伴って、その奏功に要する実行の期間が次第に短縮
されて来るという感謝に値する事実がある。即ち、最初、或る所要事項を心に具体化
するのに、三か月を要したと仮定する。処が、第二の事項は、二か月半で、第三の事
項は二か月で具体化するというように、効果をだんだんに早く自覚し得るようにな
る。熱心に行いさえすれば、数年の後には、三日か五日で効果を見るに至るものであ
る。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月01日

「真人生の探求」(中村連風)

   8月1日(火)  (ロ)命令暗示法



 この方法も極めて簡単な手続きで、然も効果率を顕著に有する方法である。

 但しこの方法を行うには、一個の鏡を用いる。その要領は、鏡に映る自己の顔面に
対し、自己の欲する積極精神状態を、命令的言語を用いて、たとえば、「信念が強く
なる!」 とか、「神経過敏でなくなる!」 とか、或は「もっと元気が出る!」 
とかいうような言葉を、真剣な気分で発声するのである。

 そこで特に必要な注意は、発声は特に大声である必要はなく、自分の耳に聞こえる
程度の「呟き声」 位の低声でよいので、要するにその気分が真剣であることが、欠
くべからざる条件なのである。

 なお必要とすることは、その際一度に数多くの項目を命令しないこと、奏功を確実
にするためには、一回一事項に限ることと、それからこうして一度命令しだしたら、
その命令したことが自己の精神に具体化する迄、同一命令をその度毎に続行するこ
と、即ち、「信念が強くなる!」 と命令したとしたら、確実に信念が強くなったこ
とを自覚し得るまで、他の事項を命令しない方が極めて効果的なのである。

 これは一名 Lindler System と呼ばれる方法で、心理学の国と呼
ばれたフランスでは、教育者が大いにこの方法を推奨している傾向があるが、彼らの
多くは、この方法を折ある毎に一日の中で何度でもよいから、鏡に対する度に行え
ば、行うにつれて効果が上がると主張している。勿論、その主張通り極めて自己改善
に効果の多い方法であるが、これを一層確実な効果のあるようにするには、特に初心
者には、この方法を夜今正に床の中に入ろうとする直前に行うことにするのである。
すると、昼間折ある毎に、度数多く行うよりも、遥かにその奏効率が高いことになる
のである。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする