2017年06月07日

「真人生の探求」(中村天風)

   6月7日(水)  神経系統の重要性



 勿論、対症療法というものも、或る程度必要には相違ない。然し、由来疾病の治癒
するというのは、それが何の種類の病症であろうとも、いずれも、体内に存在する自
然良能力、という特殊作用の力である。たとえ、世界一の名医であっても、この自然
良能力の減退している人の病患は、何としても完全治癒に導くことは出来ない。例え
て言えば糠に釘を打つよりも難しいことであるからである。

 従って、病を治す根本要訣は、この自然良能力の完全発動を促進することを先決問
題とするので、対症療法だけでは、どれほど入念にこれを施行しても、到底所期の効
果を理想的にすることは不可能なのである。

 事実において、対症療法だけで一切の疾患がよく全治するものなら、医者もその苦
労を減少するであろうし、第一人間もどんな病に対しても安心しておられることにな
るのだが、そうはうまく問屋が卸してくれないのが実際である。

 何故、内臓疾患に対し、内臓それ自体に対する対症療法だけでは嘱目すべき治癒効
果を挙げ得ないかというと、上述した一番肝心な自然良能力が、内臓それ自体に存在
していないからである。それではその自然良能力というものは、体内のどの部処に存
在しているかというと、これまた神経系統の生活機能内に、厳として存在しているも
のなのである。このような確固とした事実を論点とする時、洵に神経系統というもの
は、取りも直さず、生命確保の中枢的存在だと結論される。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月05日

「真人生の探求」(中村天風)

   6月5日(月)  芒種(芒=のぎ のある穀類の種子を蒔く大切な時期なので
芒種という)         神経系統の重要性



 あやつり人形というものは、人形それ自体に、動く働きはない。何本かの繰り糸
が、人形の局所局所に結び付けられて、人形使いが、巧妙にその操り糸を操作するこ
とに依って、さながら生ける人と同様の所作を演ずるのである。

 体内臓器もまたこれと同様で、操り人形における操り糸の如くこれを働かす機能が
別に存在していて、一見独自的の可動性で作用するかのように、あの微妙な作用を行
うのである。

 それでは、体内臓器に対する操りの糸ともいうべき不思議な機能とは、一体何かと
いうと、動物性、植物性という二大別をもつ神経系統のことである。そこで、万一、
上の神経系統のどれかに、故障なり、不完全の点があるとしたら、体内臓器の諸作用
もまた当然その働きを、円滑に行うことが不可能になる。それは操り糸のどれかが切
断したり不完全である時、操り人形が完全に所作することの出来ないのと同様であ
る。

 ところが、多くの人の中に、特に生命の重要性を考える人の中にも、この重大な事
実を案外自覚していないという、生命営為の現象事実に対する認識不足の人が存外に
多い。そして、そういう人に限って、胃が悪ければ消化剤を飲めば治ると思い、心臓
が悪ければ心臓病に適応する対症治療薬を服用するか、注射でもすれば治癒するよう
に思っている。即ち内臓の諸疾患は、臓器そのものにある対症療法を施すことに依っ
て、治癒の目的を達し得られるものと考える。然も、こうした考え方が、往々専門の
医家の間にも散見せられるのは、広き意味における民族健康のために、慨嘆すべき事
柄だといわねばならない。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 08:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月04日

「真人生の探求」(中村天風)

   6月4日(日)  歯と口の健康週間  神経系統の重要性



 私は、常に講習会で、命の活きている有様を、一筋の河の流れと同様だと説明して
いる。河というものには、必ずその水源がある。そして、命の流れの水源に該当する
ものは即ち、心=精神 なのである。というのは、先ず静かに、肉体生命の活きてい
る直接理由と事実現象とを探求するがよい。

 そもそも肉体生命がどうして活きているかという問題について直接的に考えられる
のは、肉体生命維持の三大条件ということである。一体どんな条件が、肉体生命を維
持するのに必要とされるかというに、

  一、 吸酸除炭の作用

  二、 栄養の吸収作用

  三、 老廃物の排泄作用

即ち、これである。

 この三つの作用の、そのどれも完全に作用しないと、肉体生命の生存は決して確保
出来ないのであるから、これを肉体生命維持の三大条件というのである。

 そこで次に考えるべきことは、この肉体生命確保に必枢な上述の三大条件は、何に
依って営まれているかというに、俗にいうところの五臓六腑である。五臓六腑とは、
漢方医学の方で呼ぶ名称なので、五臓とは、肺臓、心臓、脾臓、肝臓、腎臓のこと
で、六腑とは、大腸、小腸、胆、胃、三焦、膀胱のことといっている。

 がいずれにしても、上の三大条件は、皆この各種の体内蔵器に依ってその作用を
行っている。然し、更にここに正確に知悉せねばならぬ重大な事実は、およそ体内蔵
器というものは、どんな種類のものでも、それ自体で働く力はないということであ
る。即ち独自的可動性が無いのである。それでは一体どうして、肉体生命維持に必枢
とする三大条件という微妙な事実を作用するのかというに、それは、丁度操り人形の
仕かけとほぼ同様な関係で作用しているといってよい。
posted by 林田カイロプラクティック院 at 07:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする