(その一) 日常の言行 これは平素人生に活きる時の言行である。即ちどんな
場合にも、積極本位であること、特に一層の注意を要するのは言語である。既に前
節、暗示の説明をした時にも述べた通り、言語というものには、頗る強烈な暗示力が
固有されている。従って、特に積極的人生の建設に志す者は、夢にも消極的の言語
を、戯れにも口にしてはならないのである。何故かというと、それがすべて自他同化
の暗示となるからである。
であるから、仮にも泣き言や弱音は口にしないことである。まして悲観的言語や、
恐怖の表現や、下らない憤怒的言辞は、自分の言葉の中には無い位に絶対に使わない
ことである。
古語にも、習慣は第二の天性というが、多くの人は、何と余りにも消極的の言葉
を、極めて平然と、何の顧慮もなく口にして生活している。これは偏に習慣に助成さ
れた結果に外ならないとはいえ、そのため一層自己の心を消極化していることに気付
かずにいる。
だから、その種の人が、何かの人生問題に直面すると、それが健康関係のことで
も、また運命関係のことでも、その考え方までが、先ず消極的結果を自己答案の結論
として思考するため、良い結果が来るものまでも、反対に不良にしてしまっている場
合が少なくない。