人間の食餌は動物性のものを本位とすべきかまた植物性のものを本位とすべきか果
たしてその何れなりやというに、由来生物学上よりいえば、地球上に生存する動物
は、その食餌の種類で大よそ下の三種に分類される。
(1) 肉食動物
(2) 草食動物
(3) 果食動物
即ちこれである。
吾々人間は、如何なる食物を食する種類の動物なりやというに身体組織の一切の条
件と事実の上から精密に論断すれば、果食の種類に属する生物だといえる。
動物性食餌には蛋白質が多量にあるから滋養になるというて、これを食せば、自身
の体内に既に新陳代謝の作用で生じた毒素のあるのに、その上に更に他の動物の体内
毒素を加重することになるが故、その結果が健康に忽ち悪い影響を与えるのは当然過
ぎる位当然のことである。
一番理想的食餌は果物である。がしかしこれは単に経済上からのみでなく、実際上
に於いて、今日の吾人の生活に容易に実行のできないこととて、ただでき得る限り一
日の中で、分量多く果物を食すように心がけることである。そして食膳に上すべきも
のは、植物性のものを主とすべく実行するのが真健康を肉体に招来する何よりも聡明
な生活態度である。
従って、牛豚肉のみならず鳥肉魚肉と雖も、日常の食餌には、可及的少量を摂取す
る様心がけることである。大体に於いて植物性食餌を全体の七割以上動物性のものを
三割以下とする事が一番無難な割合である。