食物は、人間の肉体生命を維持するに必須なものでいわば、命の炎を作る燃料であ
る。
そして、肉体生命を確保する血液とリンパ液の良不良ということが実に直接的に吾
人の日々摂取する食物の選択及びその組み合わせの善悪、並びにそれを、摂取する際
に必要とされる各種の注意の正否に原因関係を有するものとて、吾々は常に心して出
来る限り純な自然食品を、自然法則に従うて摂取することに留意せねばならない。
そこで、これに対する適切な注意として次の事項を入念に検討実行するようにする
ことは健康建設上大いに効果ありと提唱する。
即ち、
(イ)現在自分は獣肉や魚肉等いわゆる動物食餌を過量に摂取してはいないか?
(ロ)又、脂肪類を過食してはおらぬか?
(ハ)果物や野菜を充分、食しているか?
(二)一日の中でせめて一度ぐらいは「生の」植物性のものを、食しているか?
(ホ)余りに加工変形して、妄りに味を付けたいわゆる濃厚な贅沢な料理を食べ過
ぎはしないか?
(ヘ)極端に熱いものや又は反対に冷たいもの或は辛い刺激の強いものを沢山に食
しはせぬか?
(ト)食事の際、充分に咀嚼を行うているか?慌てた気ぜわしい食し方をしてはい
ないか?
(チ)真に空腹を感じて食しているか、又は食欲にそそられて食すことが多くはな
いか?
(リ)食事の際、いつも、ニコニコ気分で機嫌よく、命を支える糧に感謝を捧げて
いるか?
等、常に自分自身、自己の監督者としての立場に立って自己を入念にマネージして
いくようにする。そして少しでも自然法則に反した生活をしたと気づいたなら、前日
の仕損じはその翌日、否、次回の食事に取り返すというように注意すれば、食物から
誘発される諸種の病を完全に防止し得、同時に常に純潔なる血液とリンパ液とを作為
し得て、よく一生を通じて極めて頼みがいのある、楽しい健康を建設することが出来
る理想的基盤を作り得ると断言する。