案ずるに、先哲識者の多くは、人間というものを一様に、ご自分たちと同様な、優
秀な自覚力を共有しているというように買い被っているのではなかろうか。即ち、あ
る程度の批判と理解とを与えれば、それから先は、自身釈然として一切の疑義を解く
であろうという風に考えているらしい、ということが決して失礼でない証拠には、大
抵の先哲識者は、「この道や、文を以て説く能わず、言を以て教ゆる能わず、よろし
く心より心に伝えるに如かず」 というように、換言すれば、以心伝心悟るに非ずん
ば能わず!! といっている。
正直の処、こういう私などもこの点で、どれだけ行き悩んだか判らなかった。然
し、幸い努力の結果、多少なりと自己啓発を為し得たものがあったので、それを基盤
として、「積極精神作成の実際方法」、を特殊組織の下に創意工夫することができ
た。
そして既に、ここに三十余年間、心身統一法の講習を続行し、あらゆる有縁の人々
にこれが垂迹宣布を行い、その講述の中にこの実際方法を組み入れて説いている。
そこで、それを次節に記述して、これまでの理解に正しい解決を与え、併せてこれ
を現実化する実践方法として提示する。